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2021小津中ルールメイキング活動 一年間の活動報告(2年ルールメイカーM with I)

1 これまでの経緯

 今年度7月、スタートした「ルールメイキングプロジェクト」、わたしたちルールメイカーは、「生徒の生徒による生徒のための校則」というコンセプトを打ち出し、小津中の校則ルールについて考えてきました。

 9月に全校クラス会議を実施し、「服装(制服)」についてと「iPadの使い方」の校則・ルールを考えていくことに決定しました(詳しくはこちら)。

この2つの校則・ルールの見直しが決定してから、私たちルールメイカーは「制服チーム」「iPadチーム」に分かれ、生徒や保護者の方々へのアンケートやルールメイカーによる全校一斉クラス会議で出た案を元に何度も話し合い、原案を作成。その原案を、小津中の先生方、PTAの方、地域の方(学校運営協議会)に報告し、議論しました。そこで出た意見を受け止めさらに話し合いを進め次の見直しの案が決定しました。

PTAの方との対話


2 制服(服装)のルール 〜だれもが着たいと思える標準服をめざして〜

「服装(制服)等について」で決まったのは次の3つです。 


だれもが着たいと思える制服(服装)をめざて

①通年での体操服登校を認める
②制服自体の見直しを行い、標準服であることを明確にする
③完全私服化は行わず、学校指定の服は残す

服装(制服等)についてで見直された3つについての理由

 ①の「通年での体操服登校」については、生徒・保護者アンケートでも要望が多く寄せられました(約7割が要望)。また、「選択肢を広げることで、様々なニーズに対応できるよう、自分でTPOを考え選択してもらうことができること」や、「校内での活動しやすさや、洗いやすさ」などの問題も考え、今すぐにできる対応として体操服での登校が認められました。
 決定後すぐにに改定の通知を出しました。通知は「生徒の生徒による生徒のための校則プロジェクト」と「生徒指導部」の連名で。12月13日(月)からこの新ルールがスタートしました。

 ②の「制服自体の見直しや標準服の明確化」については、「男女問わずスラックスを選べるようにしてほしい」「今の制服は着心地がよくない」「洗いづらい」「気候に合わせることができるようにしてほしい(カッターシャツは暑く、スカートは冬寒いなど)」「LGBTQなど多様性にも配慮する必要がある」などの意見を受けて、誰もが着たいと思える服装を標準服として新しく作っていくことになったものです。その際、大手衣料品店などの既製品を取り入れるのも良いのではないかという意見が出ました。

 ③の「私服化」については、そもそも要望は多くなく、また私服化すると学校と普段のメリハリがなくなったり、それぞれ家庭の事情が違うので服装のことで嫌がらせが起きたりする可能性があることや「小津中らしさ」を残していきたい、という意見から完全な私服化は行わないことになりました。

 この方針に基づいて、3学期には制服検討委員会(教員・保護者)でパートナーに決定した制服会社の「明石スクールユニフォームカンパニー」の方と一緒に、どのような制服があるのかや、制服の中に既製品をどの程度取り入れるべきかを考えました。また、大手衣料品店(ユニクロ)を訪問。どのような標準服に取り入れられそうな服があるかなど既製品活用について調べたりしました。

 また、生徒手帳に記載している「生徒心得(いわゆる校則)」の文章も、この方針に合うように改善案を考えました。

 今後は、制服会社によるオリジナルの制服と既製品をどのようなバランスで組み合わせていくかのアンケートなどを作り実施する予定です。生徒・保護者の皆様、その際にはご協力お願い致します。

制服会社さんとの標準服見直しの様子


3 iPadのルール 〜一人ひとりにあった使い方ができるように〜


「iPad使用」では次の3原則を元にすることに決定。

①「覚えるだけの学び」を超えて、発想を広げる使い方をする。
②自分の身を守れるようになる。自己管理できるようになる。
③誰も傷つけない・じゃましない。
(生徒が主体となって、制限やルールを変えられるしくみを運用する)

なぜ、細かなルールではなく「原則」としたのか?


 まず、なぜ3つの原則になったか、経緯を説明します。当初、iPadチームのルールメイカーは、勝手な使い方をする生徒が出てくることを心配して、たくさんの細かいルールを作り、それを生徒に守ってもらうという、「ルールで縛る」ことを考えていました。
 しかし、外部の方との対話を重ねる中で、「細かなルールで縛るだけでは結局与えられたルールを押し付けられるだけ」にならないか。それでは「今までと同じことを繰り返すだけ」ではないか。
 そうではなくて、一人ひとりが自分で判断し、どう行動すべきかルールについてしっかりと向き合ってもらうことが大切だと考えるようになりました。そこでできたのがこの3つの原則です。
 この3つの原則は、自分たちがiPadなどのICT端末を「将来に役立つような使い方」ができるようになるためにはどうしたらいいかを考え、簡単な文章にまとめたものです。
 この原則をそれぞれの生徒が、自分で様々な場面にあてはめて考えることで、何が正しいか自分で判断できるようにしてほしいと考えました。

3つの原則の意味

 ①の「『覚えるだけの学び』を超えて、発想を広げる使い方をする。」については、先生から教えられたことを覚えるだけではなく、授業で感じた疑問などを自分で調べたり、考えを広げたりして、発想を広げられるようにしようということです。

 ②の「自分の身を守れるようになる。自己管理できるようになる。」については、これからの社会を生きていく上では絶対に必要になる力であり、身に着けていく必要があると考えています。

 ③の「誰も傷つけない・じゃましない。」については、当たり前のことではありますが、みなさんにしっかり意識してほしい点です。

12月にはこの原則に基づいて、全校クラス会議を実施しました。

クラス会議では、全校生徒一人ひとりがワークショップを通じて、この原則に基づいたときの具体的な使い方やルールの例を考えてくれました。その時にでた意見をまとめたものが、以下のリストです。

活用三原則に基づく 具体的な使い方やルールの例

①「覚えるだけの学び」を超えて、発想を広げる使い方をする。
・授業や効率的に学習する道具として使おう
・iPadを使って表現しよう
・自分の将来に関する情報を集めよう
・授業をより深く学ぶために使おう
・みんなの考えをもとに、自分の考えをつくろう
・情報をうまく扱う力を身につけよう

②自分の身を守れるようになる。自己管理できるようになる。
・危険サイトにログインしない
・人にIDやパスワードを教えない(推測されやすいパスワードを設定しない)
・健康のために長時間連続で使いすぎにないようにする
・トラブルや心配事があるときは、保護者・先生・警察などに相談する
・使わない時はiPadをしまっておく
・教科等の「学習」で力をつけるために使う
・登下校時には使わない
・毎日家できちんと充電する
・本人だけが自分のiPadを使用し、人に貸さない
・iPadにパスコードをかける

③誰も傷つけない・じゃましない。
・個人情報をインターネット上にアップしない
・軽い気持ちで行うことが犯罪につながることを知ろう(不正ログイン・誹謗中傷・なりすましなど)
・画面の向こう側に、相手がいることを忘れない
・人の写真を許可なく撮らない
・音声を流すときは状況を考える

第3回 ルールメイキング全校クラス会議(iPadの活用の原則をもとにワークショップ)


 また、3学期には来年度の運用の仕方(学期ごとに「入れたいアプリ」や「問題点」などを検討するアンケートを実施することなど)も考えました。 
 来年度は一人ひとりがこの原則を意識して、よりよいiPadの使い方をしてほしいと思います。

4 最後に

 今回の見直しはこのルールメイキングのコンセプトである『生徒の生徒による生徒のための校則』に基づいて行われています。私達が行っているのは今よりも良い学校生活を送るための選択肢を増やすことであり強制することではありません。

 小津中生徒のみなさん。来年度、今回の見直しで少しでも興味を持った人はぜひルールメイキングに参加してみてください!
 
 また、こちら(準備中)のページにルールメイキングとはなんだったのかをまとめています。ぜひ御覧ください!
 

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